オランダ語の文法

別ページに掲載している「語順」と合わせて参考にしてください。

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※X(1両目)とは

Initial Element 先頭要素 Eerste zinsdeel

多くのケースにおいて、文型を決めることになる重要な要素。

先頭車両は、文型によって代入できるデータ型が異なる

※S(Subject / 主語)の中身

固有名詞、一般名詞、人称代名詞、一般代名詞、名詞句

※V-front / V-back (Verb / 動詞)の中身

  • V-front(別名:定動詞): V1
    • 人称と時制によって変化
    • 「定動詞」とも呼ばれるスロット(車両)
    • 分離動詞の場合、動詞本体のみがここに収まり、装飾語は Rスロットに飛ばされる。
  • V-back(別名:動詞群): V2, V3, V4
    • 態と時制によって変化

列車に例えると:オランダ語の語順列車には、かならず2つの動詞用の車両が用意されています。これを「枠構造」といいます。V-front 車両には、必ず動詞が乗車しますが、V-back 車両には乗客がいないケースもあります。なお、分離動詞の場合は、動詞部分のみが裸一貫で V-front に乗車可能で、ほかの品詞由来の部分は、R車両に積み込まれます。ただし、分離動詞が V-back に乗車する場合は分離されずにそのまま乗車できます。

※現在形の平叙文において「分離動詞の前綴りは v-back (v2) スロットに飛ばされる」と説明して「枠構造」を印象付ける文法書もあります。便宜上はそれでも良いのですが、例外のない統一された処理を好む場合は「車両と乗客」の発想が有利です。

動詞の種類の表

時制V1
(人称&時制の活用)
V2V3V4
能動現在/過去本動詞--
未来gaan/zullen本動詞 (原形)--
現/過 完了hebben/zijn本動詞 (過去分詞)--
未来完了zullenhebben/zijn
(原形)
本動詞 (過去分詞)-
能動>話法助動詞現在/過去話法助動詞本動詞 (原形)--
未来zullen話法助動詞 (原形)本動詞 (原形)-
現/過 完了hebben/zijn話法助動詞 (原形)本動詞 (原形)-
未来完了zullenhebben (原形)話法助動詞 (原形)本動詞 (原形)
受動現在/過去worden/zijn本動詞 (過去分詞)--
未来zullen本動詞 (過去分詞)worden (原形)-
現/過 完了zijn本動詞 (過去分詞)geworden (過分)-
未来完了zullenhebben (原形)本動詞 (過去分詞)worden (原形)
受動>話法助動詞現/過話法助動詞本動詞 (過去分詞)worden (原形)-
未来zullen話法助動詞 (原形)本動詞 (過去分詞)worden (原形)
現/過 完了hebben話法助動詞 (原形)本動詞 (過去分詞)worden原形
未来完了zullenhebben (原形)話法助動詞 (原形)本動詞 (過去分詞) 
+ V5: worden (原形)
動詞の種類

動詞の活用表(V1)

単純時制の人称変化

人称 (S)現在形過去形(弱変化)備考
Ik語幹 (stem)語幹 + -te / -de過去形は 't kofschip で判定
Jij/Je語幹 + -t語幹 + -te / -de※倒置・疑問文で -t 脱落
Hij/Zij/Het語幹 + -t語幹 + -te / -de-
複数: Wij/Jullie/Zij原形 (-en)語幹 + -ten / -den複数形

完了助動詞と未来助動詞の人称変化

人称 (S)hebben (現在/過去)zijn (現在/過去)gaan (現在/過去)zullen (現在/過去)
Ikheb / hadben / wasga / gingzal / zou
Jij/Jehebt / hadbent / wasgaat / gingzal (zult) / zou
Hij/Zij/Hetheeft / hadis / wasgaat / gingzal / zou
複数: Wij/Jullie/Zijhebben / haddenzijn / warengaan / gingenzullen / zouden

話法の助動詞の人称変化

人称 (S)kunnen
現在/過去
moeten
現在/過去
mogen
現在/過去
willen
現在/過去
zullen
現在/過去
hoeven
現在/過去
Ikkan / konmoet / moestmag / mochtwil / wou (wilde)zal / zouhoef / hoefde
Jij/Jekunt (kan) / konmoet / moestmag / mochtwilt (wil) / wou (wilde)zult (zal) / zouhoeft / hoefde
Hij/Zij/Hetkan / konmoet / moestmag / mochtwil / wou (wilde)zal / zouhoeft / hoefde
複数: Wij/Jullie/Zijkunnen / kondenmoeten / moestenmogen / mochtenwillen / wildenzullen / zoudenhoeven / hoefden

受動態の人称変化

人称 (S)worden (現在 / 過去)zijn (現在 / 過去)備考
Ikword / werdben / was過去形単数は人称変化なし
Jij/Jewordt / werdbent / was倒置で現在形語尾の -t 脱落
Hij/Zij/Hetwordt / werdis / was
複数: Wij/Jullie/Zijworden / werdenzijn / waren

worden (現在 / 過去):動作、~される
zijn (現在 / 過去):状態、~されている

過去分詞の作り方

グループ特徴過去分詞の形(例)
弱変化動詞規則に従って作るge + 語幹 + t/d (例: gewerkt)
強変化動詞母音が変化する(不規則)ge + 変化した語幹 + en (例: gekeken)
混合・完全不規則完全に形が変わる(例: gedaan, geweest)

文法書で見かける「弱変化・強変化・不規則」とは

弱変化動詞 (Zwakke werkwoorden) 【規則的】

  • 例:werken - werkte - gewerkt
  • 特徴:語幹をいじらず、語尾をつけるだけ。

強変化動詞 (Sterke werkwoorden) 【パターンはあるが不規則】

  • 例:kijken - keek - gekeken
  • 特徴:母音が入れ替わる。暗記が必要だが、特定のグループ(7つの型)がある。

完全不規則動詞 (Onregelmatige werkwoorden) 【完全不規則】

  • 例:zijn - was - geweest / gaan - ging - gegaan
  • 特徴:強変化のどのグループにも属さない、完全に独自の形。

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※R(Rest / 残り)の中身

名詞句 / 代名詞句(なにを・だれに)
副詞句 / 前置詞句(いつ・どこで・どのように・否定)
形容詞句(どんな状態で)

Rスロットの要素(語句)の並び順

オランダ語の中域(R)に複数の要素が入る場合、一般的に以下の順序で並べるのが最も自然とされています。

  1. 代名詞句 ...[Pronouns] 主格・目的格、代名詞副詞の頭 (er, daar)
  2. 様態小詞 ...[Modal Particles] maar, even, toch などのニュアンス調節語
  3. Time句 ...[Time] 副詞句・前置詞句 (gisteren, morgen, om drie uur)
  4. 特定名詞句 ...[Specific Object] 定冠詞付(de/het)名詞、人名
  5. Manner句 ...[Manner] 副詞句・前置詞句 (hard, met een pen, voorzichtig)
  6. Place句 ...[Place] 副詞句・前置詞句 (in de tuin, naar school)
  7. 否定語-niet ...[Negation] 文否定の niet
  8. 不特定名詞句 ...[Non-specific Object] 無冠詞名詞、不定冠詞(een)付名詞
  9. 補語・不変化詞 ...[Predicate Adjective] V-backの直前: 形容詞補語、分離動詞の前綴り (mee, op)

※オランダ語の文法書では、枠構造理解の利便性のために「分離前綴りは V-back スロットのメンバ」と教えることが多いが、本質的には「分離前綴りは副詞的な要素なのでRスロットに収まる」と考えたほうがつじつまが合う。「枠構造の概念」に関しては「単語が存在しなくてもスロットは存在している = 乗客がいなくても車両は存在している」とイメージしておけば、処理コストが断然低い。

Rスロットのメンバのうち、Eスロットには移動できないメンバ

以下は原則として V-back を飛び越えて右側(Eスロット/外置)に行くことはできません。これらが後ろに来ると、オランダ語としては「壊れた文」に聞こえます。

名詞句(NP)としての目的語

  • 直接目的語(例:het boek, een appel)
  • 間接目的語(例:mijn vader)

再帰代名詞

  • zich, me, je など。

短い副詞(特に様態・時間)

  • nu, gisteren, snel, graag など。

否定の niet

  • 文全体を否定する場合、V-back の直前に置かれます。

述語形容詞 / 述語名詞

  • 「〜になる」「〜である」の補語(例:Hij wil leraar worden.)

不分離動詞の前綴り

  • 分離動詞の本体が V-back にある場合、その前綴りはRの最後に固着します。

「場所の補語」としての前置詞句(例外的なR固定)

  • zetten や wonen など、場所の情報が動詞の意味を完結させるのに不可欠な場合、前置詞句であってもRスロットに留まるのが標準的です。

Eスロットにも移動(外置)できる前置詞句ほかの例

「場所」や「特定の対象」を表す前置詞句(naar huis「家へ」, voor jou「君のために」など)は、Eのスロットに移動することがよくある。

※E(Extra position / 外置)とは

外置を意味する「Extra position」。Rスロットから抜け出して、Eスロットに移動が可能(任意)な語句は次の通り。

前置詞句(PP)

  • 「時・理由・付帯状況」などを表すもの。(例:Ik heb gewerkt met veel plezier.)

比較の句

  • dan や als を使った比較対象。(例:Hij kan sneller rennen dan ik.)

従属節(節)

  • dat 節、om te 不定詞句、関係節など。(例:Ik hoop dat je komt.)

同格の要素

  • 名詞句を詳しく説明する補足情報。

E車両(後置部分)への積み替え: オランダ語では、前置詞句(PP)や不定詞句、従属節などはR車両(文末動詞)の後ろに置くことが一般的です。「脳の処理負荷を下げ、結論を早く出す」ための合理的な仕組みです。

※疑問符の種類

Wie:誰
Wat:何
Waar:どこ(前置詞とくっつく(Waarom, Waarmeeなど))
Wanneer:いつ
Hoe:どのように
Welke:どの

※niet と geen

列車に例えるなら「切符点検の車掌」であり、その巡回ルートはR車両と後方のV車両(v2以降)のみ。

否定をあらわす [niet] は、否定したい語(または語句)の直前に置く。文全体を否定したい場合は、V2の直前。

niet と geen の使い分け

geen を使う場合:

  • 不定の名詞を否定: een + 名詞(例:een meisje → geen meisje)
  • 数えられない名詞・複数形の名詞を否定:(例:bier → geen bier / boeken → geen boeken)
  • ※オランダ語の geen はそれ自体に「不定冠詞(een)」の意味が含まれている

niet を使う場合:

  • 上記以外(動詞、形容詞、副詞、定冠詞付きの名詞、固有名詞の否定)

neit の位置

※副文の中身:

《(接続詞) + S + R { O / TMP / niet } + V1(人称と時制による活用) + V2 + V3 + V4 + V5 + E》

※副文内の動詞の並び順(V1 と V2 どちらが先か)には若干の柔軟性がある。ただし、話法の助動詞(IPP)が含まれる場合は、基本的に V1 が先に来るという優先順位がある。