タグアルザス地方2019
2019年7月にアルザス地方(ストラスブール、コルマール、サヴェルヌ、セレスタ)を訪れたときの旅行記です。準備・行程はこちら

7月 月曜日:サヴェルヌとオ・バール城

古城跡を見たいのと、山を歩きたいのとで、サヴェルヌ駅から徒歩圏内のオ・バール城を目指しました。

コルマールの周辺に山や城が多いのですが、宿泊地のストラスブールからだと時間や移動費が嵩むので、北のザヴェルヌを選んでみました。

サヴェルヌの駅舎

サヴェルヌの町

サヴェルヌは小さな町ですが観光案内所があります。オ・バール城まで歩きたいことを伝えると、コースマップをくれました。ノンストップで往復2時間ほどの距離です。「赤い◾がコースの目印だから、それを辿れば簡単だよ」と英語で案内してもらったので、コースマップの解説も英語だと思っていたけど、案内所を出てからよく見るとフランス語でした。おっと、読めませぬ。

サヴェルヌの観光案内所

すでに10時でしたが、朝ごはんと、山頂でいただくお昼ごはんを調達するためサヴェルヌの町を歩きました。ベンチに腰かけてお喋りをしている初老の叔父さんがた3名が、私を見て口々に「ボンジュール」と声を掛けてくれました。わたしは少し緊張しながら「ボンジュール」とスマイルを返しました。

観光案内所のお兄さんもおっとりして優しかったし、町並みは素朴で上品だし、空気は澄んで爽やかだし…、なんて素敵な町なんだ…!とひとり感極まりながら、スーパーでお買い物したら、言葉のできない私にレジのお姉さんも優しいし、はす向かいのパン屋のおばちゃんも身振り手振りだけの意思疏通を理解しようと努めてくれるし、フランス語しゃべれなくてごめんなさいって思いながら、あれれ、はやくもサヴェルヌ大好きになりました…!

静かな朝。
サヴェルヌの街並み。
山が見えるのが嬉しい。

なんてことでウキウキと用事を済ませて、いざ、歩き始めました。ただ、案内所のお兄さんが教えてくれた「赤い◾」が見当たらなかったので、とりあえず山のある方角を目指しました。これがいけなかった…!結局どこにも「赤い◾」を見つけられないまま、山の入り口に達しました。一応、ハイキングコースらしきピクトグラムがあったので、あまり迷わず入山しました。山をなめきっていたことを、間もなく大後悔します。

「たぶんここが山の入り口。」とか言っています。山の入り口には違いないですが、コースの入り口ではないのです。

オ・バール城へ

山の奥深く、行けども行けども、人の気配が一切ありません。私の足音で小動物か爬虫類が身を隠すのでザワザワっと音が聞こえます。やがて熊とか出てきたらどうしようとだんだん心細くなりました。足元にワラビに似た植物を見つけたときには、昭和の日本で起きた某事件が脳裏をよぎりました。何かよくないことが起こって大声をあげたとしても、誰にも届きません。恐怖感は増す一方で、この恐怖感から逃げ出したい一心で、恐らくは最もよろしくない行動に出てしまいました。

シャッターを切った覚えがないのに撮れていた写真。怖っw

Google maps と GPS を頼りに、城跡のある方角へ道なき道を進みました。一応は、電柱が一直線に並んでいて、地面も踏み均してはありましたが、生い茂った植物をかき分けて進む感じです。予定になかった急勾配で息も切れ、何かあっても抗う余力がなさそうだし、うっかり転げ落ちても見つけてもらえなさそうです。この間、精神的に写真を撮る余裕がありませんでした^^;

幸運にも、城まで無事にたどり着くことができましたが、私のとった行動は最低だったと思います。下山するときは、しっかりと標識を確認しながら進みました。

2枚の岩に渡された橋(城跡の一部)が見えて安堵した瞬間。

さて、城というのは周囲を見渡せる構造なので、眺望は素晴らしいです。修復された城にはない、廃墟ならではの解放感もあります。無駄に波瀾万丈なハイキングになったので、感動もひとしおでした。

城跡には古くから開業しているレストランもあり、展望台は、夫婦連れ、親子連れ、若者集団で賑わっていました。駐車場があり、車が何台か止まっていました。ストックを持った人もいたので、正しいハイキングコースを歩けば人もいたことでしょう。

“デビルの橋”
赤い■がありました
いざ入城。
平野を見下ろす。
うーん満足。(マンダム風に)
城跡と平野。見たかった景色のひとつ!
“デビルの橋”から撮影。
矢を射るための穴だろうなぁ。
こちらの階段は通行禁止になっていました。残念。
敷地内の建物。
壁!
通り抜けできるこんな一角にわくわく。
岩肌がかっこいい。

ゾルン渓谷とアルザス平野から460メートルの高さにある砂岩の上に築かれたオ・バール城は「アルザスの目」と渾名されています。 ロレーヌ高原とアルザス平野の中間に位置し、とても戦略的な立地だったようです。最初の城(要塞)が建てられたのは12世紀だそうです。

12世紀に神聖ローマ皇帝がこの城を訪れたそうです。~16世紀までストラスブールの司教によって幾度か拡張されましたが、1648年のウェストファリア条約(30年戦争の終結)によってフランス兵に破壊されました。 その後、部分的に再建され、スペイン継承戦争(1701年)やフランス革命(1789年)の際に利用され、1874年には「フランスの歴史遺産」に登録されました。 …1874年というと普仏戦争が終わってからですね。この辺り一帯は帝政ドイツに併合されていた頃かと思います…。

略史
在りし日の姿

木陰のベンチに腰掛け、昼食のサンドイッチを頂くことにしました。が、間もなくドイツ語を話す子連れ家族が現れて、私を取り囲むように昼食を始めたので、なんだか居づらくなって移動しました(笑)展望台の後方に少し高台になった場所を見つけ、楽しみにしていたサンドイッチをいただきました。

木陰のベンチ
高台からの眺め
サンドイッチをいただく*^^*
帰る時間になると晴れてきた…-^^:

町なかから始まるコースを正しく進むと、往路でこんな景色も見れます。わたしは復路で見ました。

ちょっと日本が懐かしくなる風景。

今回の教訓は「標識大事」です。

下山後に正しい登山口を見つけました。

一般道から登山口に差し掛かる分かれ道が、迷いやすいポイント。手元のコースマップに書かれているフランス語を、翻訳機を使って読むべきでした。

明日は、Bas-Rhin 県の最南端にあるオー・クニクスブルグ城を訪ねてみたいと思います。

関連

旅行記 アルザス地方2019
施設・レストラン・ガイド

サヴェルヌ観光案内所
Tourism Alsace…アルザス日帰りハイキング
Restaurant Là-Haut…城跡のレストラン
REUTENAUER Saverne – Boulangerie Pâtisserie Traiteur…サンドイッチを買ったお店

書籍

アルザス地方の旅行から戻って購入した本(電子書籍版)。20世紀に行われたオー・クニクスブルグ城の大修復が「ヴィルヘルム2世」によるものと知って、皇帝に興味を持ったため。皇帝の生い立ちや性格が詳しく、感情移入しながら読み進めるうちに、当時の世界情勢や第一次世界大戦の流れを知ることができて嬉しかった。読み易い本でした。

ヴィルヘルム2世
著者:竹中 亨

公式紹介文:1888年にドイツ皇帝として即位したヴィルヘルム2世(1859〜1941)。統一の英雄「鉄血宰相」ビスマルクを罷免し、自ら国を率いた皇帝は、海軍力を増強し英仏露と対立、第一次世界大戦勃発の主要因をつくった。1918年、敗戦とともにドイツ革命が起きるとオランダへ亡命、その地で没する。統一国民国家の...

出版社:中央公論新社
発売日:2018年05月21日

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