【未遂】オランダの「振り込め詐欺」は脅迫も怖い

📱着信に応答すると自動音声?
❌それ、高確率で、詐欺です。
📱着信画面に表示されているのが「本物」の番号?
❌電話番号の偽装は可能です。
📱ひとりで応答しないと裁判で不利になる?
❌孤立させる手口です。
📱送金を渋ると「お前が犯人だ、家に行く」と恐怖を煽る?
❌それが本性です。
夫が「振り込め詐欺・脅迫」に合いました。最初こそ「詐欺」でしたが、疑うと「脅迫」に変ります。警察に連絡しました。詐欺師との通話は、約2時間半に及びました。幸運にも、機械の不具合で振り込みが実行されず、被害がなくて済みました。
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詐欺師の手口
Phase 1 : 初期接触(ターゲットの絞り込み)
- 内容: なまりのある英語の「自動音声」による一方的な通知。応答すると人間につながり「BNSナンバーの不正利用(犯罪)」を知らされる
- 狙い: 唐突な危機感で思考をフリーズさせる。指示に従って番号を押させることで、「指示に反応しやすいカモ」を効率よくフィルタリング。
Phase 2:外部情報の遮断
- 内容: 「同室に人がいてはならない」と指示し、家族らを遠ざける。
- 狙い: 外部からの「それ詐欺だよ」という助言が入らないように、ターゲットを心理的に隔離する。
Phase 3:信頼情報の偽装
- 内容: 裁判所の本物の電話番号を画面に表示させて、折り返す。
- 狙い: デジタルな証拠(発信番号)を見せることで、「疑い」を「信用」に書き換える。
Phase 4:詐欺から脅迫への移行
- 内容: 振り込みの失敗を告げた途端、態度を急変させ「家に行く」と脅す。
- 狙い: 恐怖を煽り、冷静な思考回路をショートさせて、強引に送金を実行させる。
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実体験の記録(第三者として)
以下、感情の入り混じる日記みたいなもんですが、載せておきます。
かかってきた電話に応じると、自動音声が再生され、該当する番号を押すよう促される
私が買い物に出て留守している間に、家にいた夫の携帯電話にコールがありました。夫が電話に出ると、なまりのある英語の自動音声が流れたそうです。
自動音声は、該当する番号を押すよう促します。これに応じて番号を押すと「人間(=詐欺師)」につながります。
ここはオランダですから、オランダ語なまりの英語は珍しくありません。むしろ、自然です。ただ、こちらからかけた電話ならともかく、かかってきた電話で自動音声が再生されるのは妙です。
「あなたのBSNナンバーが不正利用されている」と告げられる
電話の向こうの人間(=詐欺師)は夫に、「あなたのBSNナンバーが不正利用されている」と告げたそうです。BSNナンバーは、オランダのマイナンバーみたいなものです。
詐欺師は警察と連携している機関を名乗り、夫を被害者の立場として会話が始まりました。
ちなみにBSNナンバーは、あえてすべてを聞かずに、下3桁だけを言わせるなど、公的機関っぽいことをやってきたそうです。
詐欺師曰く:
- 「あなたのBSNナンバーが悪用されて、マネーロンダリングに使われている」
- 「麻薬密売と関連がある可能性がある」
- 「だから調査に協力してほしい」
犯罪者本人に仕立て上げられ、裁判所への出頭を示唆される
私が買い物から戻ったのは、夫が通話をはじめてから30分ほど経った頃でした。おだやかな調子の会話が続いていましたが、通話相手(=詐欺師)は私が同室にいることに気づくと、急に厳しい口調にかわったそうです。
詐欺師曰く:
- 「あなたは、おそらくは被害者だろうけど、同時に容疑者でもあるので、質問に回答中は同室に人がいてはならない。」
- 「この通話は録音しており、証拠としても使われる。」
- 「裁判所に出頭する必要があるかもしれず、そのときに不利になる恐れがある。」
夫はこれを信じて青ざめ、別室に引きこもりました。
容疑を晴らすため、また現金を守るためと称して、送金を促される
ひとり別室にこもった夫は、容疑を晴らすため、そして善良で協力的な市民であるべく、質問に真摯に答えていくのでした。
夫の口座状況を把握した詐欺師は、夫がイギリスに開設している口座に目をつけ、現金を指定する口座に送金するよう促しました。
詐欺師が述べた送金理由はこんな感じだったそうです:
- この口座がマネーロンダリングに使われることを防ぐため
- 調査のため
- 夫の現金を第三者による悪用から守るため
奇妙な理由ですが、外国の法律に疎いと尤もらしく聞こえてしまうのかもしれません。
詐欺師との会話がこの段階に至るまでに、すでに1時間半を要していました。詐欺師は信用を得つつ口座や財産状況の把握するために、じっくりと時間をかけるようです。
「電話を切ったり、協力を拒めば、容疑が濃厚」と脅される
それでも「送金」となると、さすがに夫も警戒しました。夫は「いったん電話を切って、しかるべき場所に確認したい。それから折り返す」とも言ったそうです。まともです。
これに対して詐欺師はこう言ったそうです:
- 「いったん電話を切ると容疑が濃厚になる」
- 夫を犯罪者扱いした筋書きの上で「電話を切った隙に容疑者グループに連絡する恐れがある」
相手の正体が確実には分からない以上、夫は電話を切るに切れなかったそうです。冤罪で刑罰を受けることもある世の中ですしね…。
信じさせるため、地裁の電話番号から発信してくる
このとき先方は「地方裁判所」を名乗っていたそうで、夫は「この電話が本当に地裁からのものであると確認出来たら、振り込みを実行する」と言いました。
すると先方は、地裁の電話番号から電話をかけてきたのです。これで夫は信用してしまいました。あとで警察に聞いたところ、発信元を偽るテクニックがあるそうです。
地裁が送金を要求するというのも不思議な話なんですけどね、百歩譲って、本当に地裁なら悪いようにはならないだろうと考えてみたいですね、夫は。
詐欺から脅迫へ
夫は送金を実行しました。でも幸運なことに、なにか機械的な不具合があって、完了しなかったのです。そのため、詐欺師がだんだんと苛立ちを露わにしていました。
詐欺師は「時間稼ぎをするのは疑わしい」とか「言い訳をするということは、おまえが犯罪者本人だ」などと言い始め、さらに発言と態度が乱暴になり、やがて支離滅裂で暴力的な脅迫の勢いを帯びてきていました。
わたしは、警察に連絡していた
ドアを突破
夫の様子は何かおかしかったので、私はわりと早い段階で別室のドアに聞き耳を立てていました。そっとドアを開けて何度も「詐欺じゃない?」と声をかけていたんですが、夫に無言でドアを閉められ、追い払われました。
不安と怒りが募って、ついに私はドアを突破。夫には「しゃべるな」とジェスチャーで支持されたのでメモで会話。ここではじめて夫に上述のような犯罪の容疑がかかっていることを知ったんですね。
わたしはリビングに戻り警察に電話して確認しました。署のオペレータさんは「その電話は詐欺だから絶対に支払わないように」と告げ、おそらくは詐欺師の言動が脅迫めいてきたことから、「警察がそちらに行きます」と言ってくれました。
私は夫にメモを差し出しました。
「POLICE said it's a SCAM. DON'T PAY.」
「Police is comming.」
でも夫はすでに送金手続きに進んでいたし、詐欺師はなにやら声を荒げているしで、私の手は震えていて字はガタガタでした。
警察が到着
通報してから10分ほどで2名の警察が家に駆け付けてくれました。夫は、憔悴していました。
警察は夫に通話のミュート機能を使うよう指示し、その間にいくつか質問しました。警察は夫と2,3の言葉を交わした後、「(電話を)切ってもいいよ」と言いました。
詐欺師は「今から、お前の家に行く!」と吐き捨て、2時間半に及んだ通話が終了しました。
暴力的な詐欺師が家まで来る…!緊張が走りました。警察の1人は、警察がいることを知られないよう、家の前に止めていたパトカーを移動しに行きました。
しかし幸いにも、拍子抜けだったことに、夫が会話の記憶をたどると、「住所は聞かれていないし、伝えていない」ことがわかりました。伝えたのは郵便番号だけでした。
人騒がせなことで、本当にごめんなさい。
夫はクレカの番号を詐欺師に伝えてしまっていたので、取引停止と再発行の処理は必要になりました。被害がこの程度で済んだのは、本当に良かったです。振込が実行できなかった不具合は、ただただ幸運でした。
愚痴
もうちょっと妻を信じなさいよ
わたしは何度も「詐欺じゃない?」と夫にメモを渡したり、合図を送ったりしたんです。なのに夫は、警察に確認するまで、妻である私よりも詐欺師を信じたんですよね。わたしを部屋から追い出してまで。ほんま、色んな意味でショックやで、おい。
オランダという国で、オランダ語はもとより、英語も不自由な私は、生活面でも夫に頼らざるを得ないことが多いです。母国でなら出来ていたあたりまえのことが出来なくなり、尊厳を失いかけていました。でもね、やっぱり生きた年数だけ、経験値は積んでるわけですよ。第六感も健在なんですよ。バカにしたもんじゃないんだよ。
警察に電話したとき、私の英語がひどすぎて「何を言っているかわからないわ」と言われました。それにも関わらず、通じるまで果敢に挑んだので、出川哲郎賞に値すると思ってます。
言語が不自由なためにオペレータさんとスムーズなコミュニケーションがとれなかったことや、警察に足を運んでもらうような迷惑をかけてしまったことは、申し訳ないです。語学、これからも、頑張ります!
夫の名誉のために言っておくと…
詐欺師の言動が恐喝めいてくると、夫にとって問題はもはや「詐欺かどうか」ではなくなっていたようです。「命を守る」ことを優先して、先方の指示に従って、別の方法でも送金手続きを試みたそうです。
夫はイギリス育ちです。若いころ、ひと気のない路地で、背中から拳銃を突き付けられて、ATMから現金を降ろすよう言われた経験があるそうです。そのときの状況がフラッシュバックしてしまい、さんざん個人情報を垂れ流したあとということもあり、命の危険を感じたのだそうです。家族にだって危険が及ぶかもしれません。それで本気で送金を実行しようとしていました。
「お金より命」の考えがベースにあるのは、良いことかもしれません。私ならお金を守って命を落とし、あの世で後悔します、たぶん。
それにしても金額がデカすぎる。もう少し早い段階で妥当な警戒心を発揮してほしいです。
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詐欺の注意喚起

報告されている詐欺の一覧(Fraud Helpdesk)
これまでに報告されている詐欺の一覧と、注意喚起を見ることができます。オランダ語ですが、ブラウザの翻訳機能を使えば読めます。
外部リンク Fraud Helpdesk
ニュース(DutchNews)
事件のあと、インターネットでいろいろ調べていると、同じ手口の事件がニュース記事に出ていました。
外部リンク More warnings issued about the police and supreme court scam


