形容詞の語尾変化と綴りの変化|オランダ語を習うことになってしまった

「オランダ語」のレッスンに、もはやついては行けてないですが、ぶら下がって頑張っています。
今日のノートは「形容詞について」です。

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形容詞の2つの用法

形容詞には2通りの使い方があります。限定用法と叙述用法です。

英語だったら「あぁ本当だ、2通りあるね。」で済む話なんですが、オランダ語の形容詞は一筋縄ではいきませんようで。限定用法の場合、語尾が変化していますよ…😱!

限定用法:Attributief gebruik

形容詞を名詞のに配置して名詞を 限定 する用法です。

  • Hij heeft bruine ogen. (He has brown eyes.)

叙述用法:Predicatief gebruik

形容詞を名詞のに配置して名詞を 説明(叙述)する用法です。(この用法では、名詞と形容詞の間には動詞が入る)

  • Zijn ogen zijn bruin. (His eyes are brown.)

語尾が変化するのは 限定用法 の場合

変化するのは「限定用法」の場合です。

限定用法:Hij heeft bruine ogen. (He has brown eyes.)
叙述用法:Zijn ogen zijn bruin. (His eyes are brown.)

限定用法の形容詞は語尾に "e" が付く

限定用法の形容詞は、たいていの場合「語尾に "e" が付く」という変化をするようです。でも一定の条件を満たしたものは「変化しない」という原則があります。変化 する / しない の条件表は次の通りです。

名詞の性特定/不特定単数複数
男女
de-woord
特定de aardige man.de aardige mannen.
男女
de-woord
不特定een aardige man.aardige mannen.
中性
het-woord
特定het aardige kind.de aardige kinderen.
中性
het-woord
不特定een aardig kind.aardige kinderen.

※「不特定」とは…不定冠詞(een)付きに限らず「ではない(geen)」「たくさんの(veel)」「少しの(weinig)」なども含まれます。
※「特定」とは…定冠詞(de / het)付きに限らず「あの(dat)」「この(dit)」「彼女の(haar)」なども含まれます。

というわけで限定用法における形容詞には、次のような原則があるようです。

  • 単数不特定中性名詞(het-woord)にかかる形容詞には、eが付かない = 変化しない
  • それ以外形容詞の語尾には "e" が付く

さらに綴りも変化するケースが…

悲報です。

限定用法の形容詞は、「語尾に e が付く」に加えて「綴りまで変化するケースがある」とのことです。どのような条件下で、どのように変化するのでしょうか。これには「綴りと発音のルール」が関係している模様です。

 叙述用法限定用法
2母音⇒1母音Zijn auto is groot.
(His car is big.)
Hij heeft een grote auto.
(He has a big car.)
1子音⇒2子音Ze zijn erg druk.
(They are very busy.)
Het zijn erg drukke mannen.
(They are very busy men.)
f ⇒ vDick is conservatief.
(Dick is conservative.)
Dick is een conservatieve man.
(Dick is a conservative man.)
s ⇒ zHet plan is ambitieus.
(The plan is ambitious. )
Het ambitieuze plan.
(The ambitious plan.)

「 f ⇔ v 」と「s ⇔ z」の変化

「 f ⇔ v 」と「s ⇔ z」の変化は、たびたび見かける変化です。オランダ語には z や v で終わる単語はなく、代わりに s や f を使っているそうです。

そんな s や f が、何かの拍子で語尾にもう一文字追加されたことによって最後尾じゃなくなった瞬間に、何食わぬ顔して z や v に変身しているようです。

2母音が1母音になる理由

たとえば groot の語尾に e が付くと o がひとつ抜け落ちて、grote となります。

なぜ o は抜け落ちるのか、それは…

  • そもそも groot に母音 o が2個あるのは「長母音ですよ、伸ばして発音しますよ」のサインです。
  • groot は1音節で、閉音節(クローズドシラブル)です。
  • gro-te は2音節で、gro は開音節(オープンシラブル)です。
  • 開音節(オープンシラブル)は「伸ばして発音する」というルールがオランダ語にはあります。
  • 開音節(オープンシラブル)となった gro には、もはや「伸ばして発音しますよ」のサインは不要です。
  • 不要になった o は、そそくさと退場します。

1子音が2子音になる理由

たとえば druk の語尾に e が付くと、k が増えて drukke となります。

なぜ k は増えるのか、それは…

  • druk は1音節で、閉音節(クローズドシラブル)で、短母音です。
  • dru-ke は2音節で、dru は開音節(オープンシラブル)です。
  • 開音節(オープンシラブル)は「伸ばして発音する」というルールがオランダ語にはあります。
  • このままでは、1音節目が長母音に変わってしまいます(≒ ドルック ⇒ ドルーケ)。
  • そこで、k を追加します。
  • druk-ke は2音節で、druk は閉音節(クローズドシラブル)です。
  • これなら発音が変わることはありませんね。

というようなプロセスの結果だそうです。

参考:Adjectives | valley-trail